『孔叢子』嘉言第一003:子張曰女子

原文

子張曰:「女子必漸乎二十而後嫁,何也?」孔子曰:「十五許嫁而後從夫,是陽動而陰應,男唱而女隨之義也。以為紡績組紃織紝者,女子之所有事也,黼黻文章之美,婦人之所有大功也。必十五以往,漸乎二十,然後可以通乎此事。通乎此事,然後乃能上以孝於舅姑,下以事夫養子也。」

書き下し

子張曰く、「女子必ず二十なんなんとし而後嫁ぐは、何ぞ也」と。孔子曰く、「十五にして許嫁け而後夫に從う、是れ陽の動きにし而陰に應し、男唱え而女隨う之義也。以て紡績組紃織紝を為る者、女子之事とする有る所也、黼黻文章之美は、婦人之大いに功有る所也。必ず十五にして以て往き、二十乎漸んとすれば、然る後以て此の事乎通ずる可し。此の事乎通ずれば、然る後に乃ち能く上は以て舅姑於孝、下は以て夫に事え子を養う也。」

訳注

紡績組紃織紝:紡も績もつむぐこと。組も紃も紐を編むことだが、紃(シュン・セン)は丸紐を編むことを言う。織も紝も織機で織ること。

黼黻(ホフツ):天子の礼服。

現代語訳

子張が言った。「女性が必ず二十近くになって嫁ぐのはなぜでしょう。」

孔子「十五歳で親同士が結婚を取り決めて、その後は夫に従う。これは陽の気を作用させるのであり、陰の気がそれに応じることであり、男が指図して女が従うという道理を示すものだ。糸を紡ぎ、紐を編み、布を織るのは、もっぱら女がすべき仕事だ。だから礼服の美しい模様は、夫人が精出して働いた精華だ。十五で嫁に行き、二十ほどになれば、こうした手仕事もよく出来るようになるだろう。これが出来れば、上は舅や姑に孝行し、下は夫に奉仕して子を養えるのだ。」

解説・付記

論語 子張
子張は孔門十哲から漏れているが、それは後世の儒者の勝手な物言いで、論語に子張篇まである孔子の若い弟子。何事にも出しゃばりだ、と孔子に評されたが、まじめで気のいい若者であり、陰険で無能で根暗な曽子からは、煙たい男だと嫌われている

それはともかく、現代でこんな事を口にすれば、女性と、やりたい一心の男どもから袋だたきに遭うだろうが、孔子も実はこんな事を言っていない。一見して春秋時代に存在しない漢字がぞろぞろとあるからで、本章もまた後世のでっち上げ。

そもそも「陰陽の気」などというオカルトを言い始めたのは、戦国時代の鄒衍や道家のたぐいで、孔子の生前に中国に存在した概念ではない。

警告

漢文業界の者は嘘つき中国人そっくりで、微塵も信用ならぬ(→理由)ので、数言申し上ぐ。


出典明記の引用は自由だが(ネット上では可動リンク必須)、盗用・剽窃は居合を嗜む有段者の訳者が、櫓櫂の及ぶ限り追い詰める。言い訳無用。訳者が「やった」と思ったら、全国どこでも押し込む。頭にきたら海外にも出かけ、バッサリやってすぐ帰る。訳者は暇であるし、惜しむものを持っていないし、面倒が苦にならぬゆえ、こうして古典を研究している。

刀の手入れは毎日している。そして未だ人を斬ったことが無い。

盗作・剽窃の通報歓迎。下手人を成敗した後、薄謝進呈。他人にやらせた者も同罪、まずそ奴から追い回してぶっ○○る。覚悟致せ。

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